ハブ話その2 母の証言
これは数年前の話である。
母は、冷蔵庫の中にある
ビニール袋が気になっていたそうだ。
食材を入れていたタッパーの上に無造作に置かれたビニール袋。
調理をするたび、袋をどけてタッパーを取り出し、
調理が終わるとまた袋を戻すという煩わしさ。
一体、いつからこの袋は置かれたのだろうか?
なんとなく、犯人は
娘(つまり私の妹)くさいのだが…。
母は3日間くらい、このビニール袋の正体がわからずにいた。
そして、その日袋をつまみ上げ、中身をじっくりと確認した…………
「ぎゃーーーー!」
母の悲鳴は、ワンコたちを大変驚かせただろう。
母、私に電話してきた。
「ちょっと聞いて!」
母は興奮していた。
「冷蔵庫の中にあったビニール袋を確認したら、何が入っていたと思う?」
言葉尻ににじみ出る怒気。電話口からも、じんじん伝わってきましたどす。
「
ハブよ
ハブ!!
ハブが入っていたのよ!!!」
母の怒り、ごもっとも。
冷蔵庫の中には
ハブがビニール袋に入って、放置されていたそうな。
見てみたかったような、関わり合いになりたくないような、すごい状況になってまいりました。
「私は料理するたびに、その袋をもちあげてたのよー!」
まあ、普通の家庭の冷蔵庫にあるまじきブツが入っていたんだもんね。
母、
大混乱です。
そして妹を問いただしたらしく、母の言う顛末はこういうことだった。
どうやら、妹はハブを
捕まえてきたらしい。
そしてハブの首根っこを
ムンズと捕まえ、
その口に
水道パイプをつっこみ
水を注ぎ込んで
溺死させた…という
過激な内容である。
うそー!?
そんなこと、
うら若き妹がやるだろうか?
とチラっと思ったが、
いや、ヤツは寝ている私に、
しにがたーの巨大YAMORIを投げつけた女。
こ、これはあり得る………
というわけで、私は母の証言をしばらく鵜呑みにしておりましたデス。
が、真実はこうだった。
<妹の証言に続く>
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